後藤正治ノンフィクション集 第7巻 『ベラ・チャスラフスカ』『マラソンランナー』



内容紹介
『ベラ・チャスラフスカ』節義のために
初版2004年/登場人物:ベラ・チャスラフスカ
◆選手生活の全盛期、時代の動乱に遭遇し、その渦に巻き込まれつつ、背筋を伸ばして生き続けた。1964年、東京オリンピックで世界中を魅了し金メダルを獲得したベラ・チャスラフスカ。だが、東欧社会主義圏のチェコに生まれ育った体操の女神のその後の人生は、あまりにも過酷なものだった。時代の荒波に翻弄されながらも自身の生き方を貫き通そうとした女性の個人史を丹念な取材によって描いた渾身の力作。

『マラソンランナー』
初版2003年/登場人物:金栗四三、孫基禎、田中茂樹、君原健二、円谷幸吉、瀬古利彦、宗茂・猛、中山竹通、谷口浩美、有森裕子、高橋尚子
◆アテネ五輪の42.195キロ、そのスタート地点に至る日本の100年を見よ!1912年のストックホルム五輪に日本人として初めて参加した「日本マラソンの父」金栗四三以降、日本は傑出したランナーを数多く輩出してきた。孫基禎、田中茂樹、君原健二、円谷幸吉、瀬古利彦、宗茂・猛、中山竹通、谷口浩美、有森裕子、高橋尚子──。時代の変化、周囲の期待、そしてランナーの意思。彼らが闘ったレースとその肉声に迫りつつ、日本マラソン百年の変遷を辿る。「日本人の精神史」に通じる、出色のスポーツ人物列伝!


関連カテゴリ:
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 ノンフィクション
  ノンフィクション:後藤正治ノンフィクション集(全10巻)
  ノンフィクション:スポーツ
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 シリーズ一覧:後藤正治ノンフィクション集(全10巻)
商品コード:
9784833902571
販売価格(税込):
2,640

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(選択中のタイトル:後藤正治ノンフィクション集 第7巻 『ベラ・チャスラフスカ』『マラソンランナー』)

書籍情報

発行日:2011/1 、 判型:文庫判 ・ソフトカバー 、 頁数:672頁 、 その他- 、 装幀:鈴木一誌 、 発行:ブレーンセンター

著者

後藤 正治(ゴトウ マサハル)

1946年、京都市に生まれる。1972年、京都大学農学部を卒業。
ノンフィクション作家となり、医学、スポーツ、人物評伝などの分野で執筆を重ねる。
『空白の軌跡』(講談社文庫)で第四回潮ノンフィクション賞、『遠いリング』(岩波現代文庫)で第十二回講談社ノンフィクション賞、『リターンマッチ』(文春文庫)で第二十六回大宅壮一ノンフィクション賞、『清冽』(中央公論新社)で第十四回桑原武夫学芸賞、を受賞。

2016年、書き手として出発して以降、2010年までに刊行された主要作品のほとんどが収録されている「後藤正治ノンフィクション集(全10巻)」の刊行が完結。

他の著者に、『関西の新実力者たち』(ブレーンセンター.1990)、『刻まれたシーン』(ブレーンセンター.1995)、『秋の季節に』(ブレーンセンター.2003)、『節義のために』(ブレーンセンター.2012)、『探訪 名ノンフィクション』(中央公論新社.2013)、『天人 深代惇郎と新聞の時代』(講談社.2014)などがある。


上記内容は2016年時点のものです。

目次

『ベラ・チャスラフスカ』
序章………旅へ
第一章……寒い国のバラ
第二章……東洋の娘たち
第三章……春、そして冬
第四章……復活と悲劇と
第五章……帝国に生きて
第六章……自由ロシアの子
第七章……メキシコの花嫁
第八章……白い妖精
第九章……歌声は消えず
終章………狐の森
あとがき
主な参考文献
五輪女子体操個人総合・歴代メダリスト

『マラソンランナー』
第一章……坂の上の雲
第二章……苦い勝利
第三章……アトムボーイ
第四章……完走者
第五章……貴公子
第六章……朗らかランナー
第七章……遠いロード
第八章……ジョガー娘
あとがき
主な参考文献

第七巻解説─白石一文
第七巻への覚書

白石一文 「解説」より

つまり、本書で後藤正治という作家が描こうと企てている本当のテーマは、この人間社会において最も難解な命題である「個人と国家との関係」それ自体についてなのである。

後藤氏は、一見するところ国家や政治とは縁遠いと思われる女子体操というスポーツの戦後史を追いかけながら、そんな中で否応なく政治的選択をせざるを得なくなった一人のヒロインの姿を浮き彫りにし、ある個人が残す<精神の形>こそが、社会主義<革命>という巨大な国家原理よりもはるかに重く貴重なのだと再確認する。それが、この命題に対する後藤氏の最終的な解答なのである。