犯されたアジア タイのじゃぱゆきさん物語



内容紹介
ASIA-OSAKA80s アジアにつながる細い糸をたぐりよせるようにタイをめざした80年代。円高ニッポンに生きるじゃぱゆきさん、夜の世界の商売人、ビジネスマンたちの人間模様を織り込みながら、アジアの人生に迫る長編ルポルタージュ


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 ノンフィクション
  ノンフィクション:アジア
 文化
商品コード:
9784833903547
販売価格(税込):
1,760

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(選択中のタイトル:犯されたアジア タイのじゃぱゆきさん物語)

書籍情報

発行日:1988/1/30 、 判型:- ・- 、 頁数:334頁 、 その他- 、 装幀:- 、 発行:ブレーンセンター

著者

水町亮介(みずまち・りょうすけ)
1947年生まれ。関西大学文学部中退。コピーライター、エディターを経て、現在フリーのルポライター。著書に、絵本「みがかぬかがみ」「あべこべかげべえ」(ひかりのくに)、「わんにゃんとにゃんわん」(三芽出版)など。

プロローグより

この四年間、私はタイを知ろうとし、タイ人をわかろうとしてきた。またタイ人を通して東南アジア、さらにはアジア全体と私とのかかわりを考えつづけてきた。私はこの四年間で多くの貴重な体験をし、さまざまなカルチャーショックを受け、かけがえのない友を得ることができた。しかし反面では、いらだち、失望し、アジアの優しい人々を裏切ってきた。
太鼓のリズムや蛮声を遠くのほうに聞きながら、私はぼんやりと考えている。過ぎ去っていく風景のいくつかに見覚えがあった。やがてチョンブリのの市内に入り、左折すればパナニコンに向かう交差点に差しかかる。急スピードのバスは一瞬にして、私の感傷地点を通過してしまった。
太鼓の音がどんどん遠くなっていく。窓の外の風景が静止し、さらに逆戻りしてくような錯覚に包まれる。
サヌックを乗せてバスは行く。そして私ひとりが、時間をどんどん遡行していく。一年前、二年前・・・・そして四年前に。